わたしたちのストーリー
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「Health for all, Hunger for none
(すべての人に健康を、飢餓をゼロに)」の
ビジョンのもと、
日本の農業を持続可能にするため
イノベーションを起こし続ける、
私たちのストーリーをお届けします。

共創による深化したソリューションで日本の水稲稲作に新たな価値を

共創による深化したソリューションで
日本の水稲稲作に新たな価値を

バイエル クロップサイエンス株式会社
カスタマーマーケティング本部
キャンペーン&プロダクトマネジメント部
水稲除草剤&デジタルイニシアティブ マネジャー
小原 一記

大規模化が進む水稲稲作に新たなソリューションを

デジタルツール my防除のイメージ
デジタルツール my防除のイメージ

日本の水稲稲作は高齢化や離農に伴う担い手不足が進む中、地域の中心的な農家さんや農業法人をはじめとする新しい経営体に農地が集約されることで大規模化が加速し、農家1戸あたりの作業負荷が増加する傾向にあります。他方、大規模化に伴い、多様なバックグラウンドを持つ担い手が増加し、経験値を補う技術の伝承も課題となっています。また、現在水稲稲作における雑草防除は、複数の有効成分を含む一発処理除草剤が主流ですが、利便性が高い半面、圃場に発生する草種・量・密度によってはオーバースペックになったり、適期防除ができず追加防除が必要になったりすることもあります。

このような背景のもと、今後も増加する大規模農家さんの課題解決に貢献する新たな柱として、雑草防除における「処方」に着目し、10年前から構想が進んでいたのが「水田雑草 テーラーメイド防除」です。「水田雑草 テーラーメイド防除」は、圃場ごとの雑草の発生状況に基づき、単一成分による高濃度製剤の中から、最適な薬剤(有効成分)、量、タイミングの処方提案を専用のウェブアプリ「my防除」を通して行う画期的な防除方法です。長年バイエルが培ってきた雑草防除におけるノウハウをデータベース化したことで、個々の農家さんのニーズに合った処方提案が可能となり、防除効果を最大化しつつ薬剤使用量の低減を通して、労働力やコストの最適化が期待される画期的なソリューションです。

共創を通じて、より多くの生産者に、より深化した価値を

圃場での風景写真
圃場での風景写真

「水田雑草 テーラーメイド防除」は、「農家さんが真に求めること」を追求し、進化するオープンプラットフォームを活用したソリューションです。上市にあたり、私たちは国内の約300圃場で実証実験を行い、延べ100軒以上の農家さんのお声を伺いました。そこで得た声をいち早く具現化するために、専門性を有する外部パートナーとの共創を積極的に進めています。ウォーターセル株式会社Green Carbon株式会社との連携もその一つです。この共創により、農作業や圃場管理データの記録・計画から、雑草防除の意思決定、さらにはカーボンクレジット創出の可能性が広がり、作業負荷・農薬使用量の低減に加え、収益力強化が期待できます。

「水田雑草テーラーメイド防除」は、管理面積の大きい農家さんほどその効果を感じていただきやすいソリューションですが、彼らとの共創で複層的な提案が可能になり、より多くの農家さんの目指す姿に寄り添った深化した価値を提供できます。私たちは既存ビジネスとの2つの柱で多様な経営体の農家さんの課題解決に貢献するために、まずは流通パートナーの皆さんとともに農家さんに貢献できる価値を粘り強くお伝えしていきたいと思います。

共創によるバリューチェーン構築により、日本の農業に貢献

バイエルでは、早くから中心戦略にサステナビリティを掲げ、様々なアプローチで環境負荷低減に取り組んでいます。「水田雑草 テーラーメイド防除」でも単一成分による高濃度製剤を用いることで不要な成分の使用を抑えるだけでなく、ボトルの軽量化を通した輸送中の二酸化炭素排出量の削減にも寄与します。また、私たちは持続可能な農業を目指す上で、農家さんの収益性を高めていくことも重視していますが、今回共創により、カーボンクレジット創出という収益性強化への具体的な道筋を示せるようになりました。先日「みどりの食料システム戦略」に沿って、環境負荷低減を補助金交付の要件にする「クロスコンプライアンス」が試行されましたが、こちらも共創モデルを構築したことで、環境に配慮した営農の実践だけでなく、補助金の申請に必要なデータリファレンスの面でも、さらに、カーボンフットプリント排出量を示した新たな付加価値創出の面でも、お役に立てるものになると確信しています。

今般の「水田雑草 テーラーメイド防除」を軸とした専門性の高いパートナーとの共創が、私たちのイノベーションを深化させ、農家さんに防除技術をお伝えするだけでなく、エンドユーザーである消費者の方までを見据えたバリューチェーン構築を通して、新たな価値を提案する可能性が広がりました。バイエルでは農家さん起点で業界をどうしていきたいかを考え、未来に向けた大きな絵を描くことを推奨する組織風土があり、それを形にすることが可能です。バリューチェーン構築を通してどのような価値を提供していけるのか、日本の持続可能な農業にどのように貢献していけるのかを考えると、ワクワクします。そのためにも、まずは、「水田雑草 テーラーメイド防除」を今後の潮流になるよう育てていくのはもちろんですが、同様の課題を抱える水稲文化のある他国にもこのソリューションを展開することで、日本の水稲技術の高さを発信し、日本の農業のさらなる発展に貢献していきたいです。

「水田雑草 テーラーメイド防除」の詳しい情報はこちらからご覧になれます。
https://cropscience.bayer.jp/ja/home/product/tailormade-control/

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