わたしたちのストーリー
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「Health for all, Hunger for none
(すべての人に健康を、飢餓をゼロに)」の
ビジョンのもと、
日本の農業を持続可能にするため
イノベーションを起こし続ける、
私たちのストーリーをお届けします。

新しい種子処理技術を より安全に、より使いやすく

新しい種子処理技術を
より安全に、より使いやすく

バイエル クロップサイエンス株式会社
カスタマーマーケティング本部
キャンペーン&プロダクトマネジメント部
種子処理技術センター
青木 知美

多忙な育苗期における作業の平準化に貢献する新しい種子処理技術

水稲には、水田に苗を植える移植栽培と水田に直接種子を播く直播栽培がありますが、移植栽培における春先の育苗箱への薬剤処理や、直播栽培における本田での薬剤散布は、労力・時間の点で特に農家さんの大きな負担になっています。このような課題に着目し、バイエルでは水稲の種もみに直接薬剤を塗沫処理する一連の種子処理技術バイエル シードグロース®を提供しています。種子にあらかじめ薬剤をコーティングすることで、従来の箱粒剤と同等の効果・残効性を発揮し、田植え後・播種後の本田での病害虫を防除できる新しいソリューションです。

種もみに薬剤をコーティングする様子の写真
種もみに薬剤をコーティングする様子
種もみに薬剤をコーティングする様子の写真
種もみに薬剤をコーティングする様子

バイエル シードグロース®は、種もみに必要な薬量が塗沫され、効果が安定しているため、高密度播種を含む移植栽培、鉄コーティングやカルパーコーティングといった直播栽培など様々な栽培技術に適用できます。さらに薬剤処理をした種子は長期間保存ができるので、農閑期に種子処理を行うことで、育苗や田植えで忙しい春先の作業の平準化が図れます。バイエル シードグロース®は、従来の栽培方法を変えることなく、農家さんが直面する課題に合わせた導入方法を提案できる点が大きなメリットになります。

新しい技術をより安全に、さらなる可能性を拓くために

写真
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水稲種子処理は新しい技術ですので、私たちは農薬をお届けするだけではなく、お客様が現場でどのように使用するのかを考え、安全にご使用いただくための処理技術とともにお届けする責任があります。2014年に種子処理技術センターが開設された当初は、水稲種子処理を日本の水稲栽培の中で実用化するためのノウハウや技術を蓄積することに軸足を置き、種子処理を行った種子の発芽試験や育苗試験、薬剤性能を確認するための各種分析試験、使用者や環境への安全性を担保する粉塵試験などに取り組んでいました。安全性はもちろんですが、周辺機器を含めた現場での使い勝手も普及には必要な視点です。そのため、バイエル シードグロース®が発売されてからは、従来の試験に加え、お客様が現場で直面した課題解決に向けた試験にも注力しています。

近年では、種子処理に関わる作業を効率的・商業的に行う機器モデル(スタートアップモデル)を開発し、種子処理のデモンストレーションや研修にも力を入れ、安全性と利便性のさらなる向上を目指しています。2024年1月に種子処理技術センターは千葉県柏市に移転し、全国からアクセスしやすい立地になりました。種子処理の魅力をさらに多くの方々にお伝えしたいと考えています。

日本の農業のさらなる強化に新しいソリューションで貢献

新しい種子処理技術センターの写真
新しい種子処理技術センター
新しい種子処理技術センターの写真
新しい種子処理技術センター

これまでは、複数の農薬成分を含んだ混合剤を使用した防除が主流でしたが、バイエル シードグロース®で使用する種子処理剤は1剤につき1成分のみを含有するため、圃場での病害虫の発生状況に応じて処理薬剤の組み合わせを柔軟に選択し、不要な成分の使用を抑えることができます。また、種子処理剤は農薬の有効成分以外の副資材の割合が少ない高濃度製剤であるため、従来剤と比べて投下薬剤量の大幅な削減が可能となり、環境負荷の低減につながります。さらに、圃場あたりに必要な薬剤量が少なくなり、薬剤の輸送費やそれにかかる二酸化炭素排出量の削減にもつながります。

バイエル シードグロース®は、「必要な成分を必要な量だけ」使用し、農家さんと環境への負荷の低減に貢献する画期的なソリューションです。また、持続可能な開発目標(SDGs)や、「みどりの食料システム戦略」が目指す方向性に沿ったものであり、持続可能な農業に資する技術だと考えています。日本の強い農業に、この種子処理技術で貢献していきたいと思います。

バイエル シードグロース®の詳しい情報はこちらからご覧になれます。
https://cropscience.bayer.jp/ja/home/product/seed_growth/

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