わたしたちのストーリー
わたしたちのストーリー

「Health for all, Hunger for none
(すべての人に健康を、飢餓をゼロに)」の
ビジョンのもと、
日本の農業を持続可能にするため
イノベーションを起こし続ける、
私たちのストーリーをお届けします。

地域に密着した課題解決を通じて未来に向けたイノベーションを共創

地域に密着した課題解決を通じて
未来に向けたイノベーションを共創

バイエル クロップサイエンス株式会社
カスタマーマーケティング本部
キャンペーン&プロダクトマネジメント部
大江 由起子

北海道の小麦栽培を赤かび病から守るために

北海道の小麦栽培を赤かび病から守るために

様々な食品に使用され、私たちの食生活に欠かせない小麦ですが、2022年度の農林水産省の統計では日本の小麦の作付面積は約227,300ha*で、その約半分の130,600ha*を北海道が占めています。北海道での栽培が多い理由には、収穫期に雨が少なく、また 梅雨の影響が少ない上に夏も涼しく、乾燥した気候が、冷涼乾燥気候を好む小麦の栽培に適していることが挙げられます。

小麦栽培の主要病害には、赤かび病、赤さび病、うどんこ病があります。特に赤かび病は非常に深刻な病気で、開花期(5~6月頃)に穂が赤かび病菌に感染することによって起こり、収量や品質を低下させるだけではなく、人や家畜に対して健康を害するかび毒を生成させる菌種もあるため、安全性の観点からも適切な対策が必要です。生産者の方々は、栽培時にできるだけ赤かび病抵抗性の高い品種を選ぶことが大切ですが、品種抵抗性だけでは赤かび病を抑えきれないため、殺菌剤による防除が必須になります。病気は発生させないことが大切ですが、北海道ではこの病気の発生を抑えるため、年に3から4回の防除を行い、労働力やコスト面で大きな負担になっており、いかに効率的に防除していくかが課題になっています。

*「令和4年産麦類(子実用)の作付面積及び収穫量:農林水産省 (maff.go.jp)」より

北海道特有の課題解決に向けた製品開発へ

北海道特有の課題解決に向けた製品開発へ
雑草や病害虫のフォトブックを発行。これまでに5シリーズを提供している。
農家さんの利便性を考慮し、持ち運びに便利なサイズに

バイエル クロップサイエンスは長年、麦用殺菌剤として、シルバキュア®フロアブルを販売しており、今日まで北海道で高いシェアを維持しています。しかし、さらに高活性のプロライン®フロアブルを導入することで病害に対する有効性はもちろんのこと、農家さんの負担となっているコストや労働力の課題にもアプローチできるのはないかと考え、2017年に開発をスタートしプロジェクトを立ち上げ、何度も検討を重ね、関係者が一丸となって進めてきました。

有効成分であるプロチオコナゾールは、赤かび病菌が産生する人畜に有害なかび毒であるデオキシニバレノール(DON)の蓄積を既存薬剤と比較して低減させることが期待できます。北海道では、赤かび病菌の中でもDON産生菌が優占する傾向にあることや防除回数の状況から、プロライン®フロアブルを生産者に提供することで、小麦栽培における生産者の課題解決に大きな貢献が見込めます。従来、農家さんは小麦の開花期から3回または4回にわたり殺菌剤を散布する必要がありました。プロライン®フロアブルの最大の強みは、この散布回数を減らすことが期待できる点です。広大な農地を管理する農家さんにとって散布回数を減らせることは、コストや労働負荷の低減の点で大きなメリットとなります。

農家さんのイノベーションに貢献できる製品へ

農家さんのイノベーションに貢献できる製品へ

日本は南北に伸びた地形から気象条件や作物分布が異なるユニークな市場で、地域特性に合わせた製品開発や使用方法の開発が農家さんの課題解決の重要な鍵になります。プロライン®フロアブルは、特に大規模生産者にとって経営効率の改善や収益向上に大きな貢献が見込めるだけでなく、省力化によって生まれた時間を農家さんが次のステージに向けて有効活用できるようになります。つまり、農家さん自身のイノベーションへの取り組みの後押しとなるのです。

2023年1月に発売して、今年が最初の年となりますが、生産者や流通・試験場の方々からも非常に好評をいただいており、今後も長きにわたり使用される、バイエルの歴史に名を刻む製品の一つになる手ごたえを感じています。
サステナビリティのリーディングカンパニーとして、私たちはプロライン®フロアブルを通し大規模生産者が多い北海道の農家さんのニーズに応えていきます。消費者に安全な作物を届けるために、生産者はより効率的に農作業を行っていくことが日本の持続可能な農業の実現に不可欠です。プロライン®フロアブルはその一助になると確信しています。

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