わたしたちのストーリー
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「Health for all, Hunger for none
(すべての人に健康を、飢餓をゼロに)」の
ビジョンのもと、
日本の農業を持続可能にするため
イノベーションを起こし続ける、
私たちのストーリーをお届けします。

レギュラトリーサイエンス本部 菊池 文健

安全性評価を通じて
持続可能な農業の発展に貢献する

バイエル クロップサイエンス株式会社
レギュラトリーサイエンス本部
菊池 文健

科学的根拠に基づいたリスク評価でヒトと環境に対する安全性を検証

農薬に使用される有効成分をはじめ私たちの身のまわりにある化学物質は、どう使うか、いつ使うか、どのくらい使うかによって安全性は変わります。本質的に安全性が高いものは適切に、そうでないものはより厳しく規制することでリスクは管理することができます。私たちレギュラトリーサイエンスは、科学に根ざした農薬のリスク評価を行い、バイエルとしてヒトと環境への安全性を確保した製品を市場に導入することに貢献しています。

残留農薬のヒトに対する安全性については許容一日摂取量ADI、急性参照用量ARfDなど、定量的なリスク評価の考え方に基づいて以前より安全性評価が行われてきましたが、近年では評価のみならず政策においても、農薬の有効成分を安全か否かの二者択一で分類するハザードの考え方ではなく、定量的にリスクを評価し反映させる風潮が徐々に高まっています。日本でも「みどりの食料システム戦略」において化学農薬の削減目標が設定されていますが、単純な使用量ではなく、リスク換算でのKPIが採用されています。

一方で海外に目を向けると、例えば国によっては科学的にリスク評価を行うための体制が十分でない国もあり、バイエルでは既に登録された農薬の使用法についても、最新の科学的知見やリスク評価手法に基づき絶えず見直しを続けています。各国の規制要件を満たした上で、更に環境・ヒトへの安全性の両面から自主的に行ったリスク評価の結果を開発登録の意思決定に反映させることで、安全性向上に努めています。

時代とともに変化するリスクを捉え、新たな評価手法を導入

バイエルではリスクベースでの安全性評価を以前より重視し、より安全性の高い農薬の開発と積極的なポートフォリオの入れ替えを進めてきました。その結果日本では、安全性の指標であるADI(許容一日摂取量)によるリスク換算での農薬使用量を約20年間で75%削減しています。
同時に、グローバルレベルでは将来を見据えたリスク評価モデルの開発にも取り組んでいます。例えば、バイエルは全世界で2030年までに農薬による環境への影響を30%削減することを掲げており、これを定量的に評価するための手法を導入しています。つまり、既存のシステムの中でリスクを評価するだけでなく、時代と共に変わる新たなリスクを評価するモデルを作っていくことにも注力しているのです。

農薬の分野ではヒトや環境に対するリスク評価を行っていますが、農業全体では温室効果ガスの削減も視野に入っています。何をもってサステナブルかということになるからです。時代のニーズによって変わる新しいリスクを捉え、定量的に評価するための手法を開発し、科学的に検証することが、持続可能な農業を実現するうえで今後より一層必要になります。その新たな仕組みづくりにバイエルがいかに参画していくのかも重要になっていきます。

*「みどりの食料システム戦略」における化学農薬使用量(リスク換算)について
https://www.maff.go.jp/j/council/sizai/nouyaku/attach/pdf/27-9.pdf

持続可能な農業の実現と発展に向けて

バイエルは、持続可能な農業の実現に向けて、農薬を軸としたソリューションプロバイダーとして、デジタル技術を活用した新しい農薬の使用法を提案し始めています。将来的には、病害虫の発生予測に基づき、必要なときに必要な農薬を必要な量だけドローンなどを活用して精密散布を行うテーラーメイド防除も可能になるでしょう。そのために必要な技術をバイエルは持っています。

バイエルはユニークな視点で、業界の垣根を超えた新たなビジネスモデルを創出しています。科学的根拠に基づいたリスク評価は、イノベーションを加速させ、ビジネスをより発展させる原動力になると思います。
今ある農薬をよりリスクの低い農薬に変えていくことで、リスク換算での使用量の削減とビジネスは両立できる、これは、今日までの日本のバイエルの取り組みから既に証明されていることであり、それを可能にしたのがイノベーションだと考えています。例えば、厳しいリスク評価基準がなければ、ヒトに対しても環境に対しても安全性の高い農薬は生まれてこなかったでしょう。リスク評価というととかくブレーキの役割とみられがちですが、リスクを特定することは持続可能な農業の両立を実現するために、何に注力すべきなのか意思決定をする上でも鍵となります。

時代の変化を捉え、絶えず生まれる新たな科学的知見を活かしたリスク評価を通じて、持続可能な農業の発展に寄与していきたいと思います。

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