ミツバチをめぐる日本の動向
Sustainability 持続可能性

最適な農薬とその使用法

ミツバチをめぐる日本の動向

生物多様性の維持、特にミツバチなどの花粉媒介昆虫の維持・保護は、持続可能な農業を推進する上で不可欠です。バイエル クロップサイエンスでは、全世界でミツバチを保護するための新しい技術や方法の研究開発に積極的に取り組み、農薬の使用方法を最適化し、ミツバチや生態系への影響を最小限に抑えることを目指しています。

日本では2018年に農薬取締法の改正により、再評価制度が導入され、既に登録されている農薬についても最新の科学的知見に基づく安全性等の再評価が行われています。特に、ミツバチへの影響評価が拡充され、従来の評価に加え、農薬の使用方法も考慮し、農薬が残留した花粉や花蜜を持ち帰った際の巣内の成虫や幼虫への影響等、ミツバチの群への影響についての評価が新たに設けられました。

参考資料:農林水産省「農薬のミツバチへの影響評価-殺虫剤イミダクロプリドの評価結果(案)について-」をもとに再編集

日本のバイエル クロップサイエンスでは、2021年9月以降、環境に調和した持続可能な農業の実現に貢献するための全世界で一貫した方針に基づき、イミダクロプリドを含む農薬について、ミツバチに被害を生じる可能性があると考えられる使用方法について、「使用時期を落花後もしくは着果後に制限する」、「施設における使用に制限する」、「使用後の訪花を避ける注意事項を定める」ことにより、再評価申請に先駆けた形で、ミツバチ等への被害の防止にいち早く取り組んできました。さらに、2021年12月にイミダクロプリドを含む製品について再評価申請を行い、2025年3月にミツバチに関する評価結果が公表されました。その評価結果によれば、一部追加で被害防止方法が必要な使用方法がありましたが、イミダクロプリドのミツバチへの影響評価結果の大部分は、当社が自発的に行ってきた適用表の作物名又は使用時期での制限と同等の内容でした。バイエル クロップサイエンスでは、これまでの取り組みを継続するとともに、追加で被害防止方法が必要な使用法について、速やかに対応するとともに、評価結果に沿った使用を求めていくことで、環境に調和した持続可能な食糧生産に貢献していきます。

再評価終了時に設定予定の被害防止方法

被害防止方法 対象作物
アドマイヤー1粒剤 閉鎖系施設栽培以外で使用する場合は、花茎伸長期までの使用または開花期終了後の使用に限る れんこん
閉鎖系施設栽培での使用または発芽(萌芽)~落花(開花終了)までを除く期間の使用に限る つつじ類, 樹木類(つつじ類を除く)
閉鎖系施設栽培以外では、開花している場合は摘花してから使用し、使用後は開花期終了まで摘花する かんきつ(苗木)
3kg/10aを超える場合は、閉鎖系施設栽培での使用または開花期終了後の使用に限る きく(株元散布), ばら, ポインセチア(株元散布)
開花前に収穫する作物以外で3kg/10aを超える場合は、閉鎖系施設栽培での使用または開花期終了後の使用に限る 花き類・観葉植物(きく、ばら、ペチュニア、レザーファンを除く)
アドマイヤー水和剤 閉鎖系施設栽培での使用に限る きゅうり(散布)*, にがうり*, ピーマン*
開花期を除く期間での使用に限る ばれいしょ(無人航空機による散布)
閉鎖系施設栽培での使用または発芽(萌芽)~落花(開花終了)までを除く期間の使用に限る なし*, りんご*, かき*, もも*, ネクタリン*, うめ*, すもも*, ぶどう(散布)*, くり*, マンゴー
閉鎖系施設栽培での使用または着果後の使用に限る。閉鎖系施設栽培以外では、開花している場合は摘花してから使用し、使用後は開花期終了まで摘花する メロン*, すいか*
アドマイヤーフロアブル 閉鎖系施設栽培での使用に限る 未成熟ささげ*, きゅうり*, ピーマン*, オクラ*, きく*, きく(葉)*, 食用ぎく*, ポインセチア*, しそ(花穂), 食用プリムラ
閉鎖系施設栽培での使用または開花期終了後の使用に限る 未成熟そらまめ*, れんこん*, キノア
閉鎖系施設栽培での使用または発芽(萌芽)~落花(開花終了)までを除く期間の使用に限る かんきつ*, なし*, びわ*, もも*, あんず*, ぶどう*, キウイフルーツ*, つつじ類(散布)*,
デイゴ*, アセロラ, さんしょう(葉), 食用かえで(葉), 食用さくら(葉), つつじ類(株元灌注), かえで
閉鎖系施設栽培以外で使用する場合、立茎開始前または開花期終了後の使用に限る アスパラガス
開花している場合は摘花してから使用し、使用後は開花期終了まで摘花する うど
開花前に収穫する作物以外は、閉鎖系施設栽培での使用または開花期終了後の使用に限る 花き類・観葉植物(きくを除く)*
閉鎖系施設栽培以外で使用する場合、開花させない しそ*
閉鎖系施設栽培以外で使用する場合、えごま(葉)及びバジルについては、開花させない、それ以外の作物については、発芽(萌芽)~落花(開花終了)までを除く期間の使用に限る しそ科葉菜類(しそを除く)*
閉鎖系施設栽培での使用または着果後の使用に限る。閉鎖系施設栽培以外では、開花している場合は摘花してから使用し、使用後は開花期終了まで摘花する メロン*, すいか*, かぼちゃ*
アドマイヤー顆粒水和剤 閉鎖系施設栽培での使用に限る きゅうり*, にがうり*, ピーマン*, きく*
開花期を除く期間での使用に限る ばれいしょ(無人航空機による散布)
閉鎖系施設栽培での使用または開花期終了後の使用に限る 豆類(未成熟、ただし、未成熟そらまめを除く)*, 未成熟そらまめ*, とうがらし類*
閉鎖系施設栽培での使用または発芽(萌芽)~落花(開花終了)までを除く期間の使用に限る かんきつ*, なし*, りんご*, かき*, もも*, ネクタリン*, うめ*, すもも*, ぶどう*, げっきつ*, アテモヤ, パッションフルーツ, マンゴー, みしまさいこ
閉鎖系施設栽培以外で使用する場合、立茎開始前または開花期終了後の使用に限る アスパラガス
閉鎖系施設栽培での使用または着果後の使用に限る。閉鎖系施設栽培以外では、開花している場合は摘花してから使用し、使用後は開花期終了まで摘花する メロン*, すいか*, かぼちゃ*

*を付した作物は、「使用時期を落花後もしくは着果後に制限する」、「施設における使用に制限する」、「使用後の訪花を避ける注意事項を定める」ことにより既に対応している。

日本での取り組み

最適な農薬とその使用法

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デジタル農業

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人と地球の共栄

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