リジェネラティブ農業を実現するためには、
土壌や作物の生育環境を健全に保ち、さらに再生力を高める必要があります。
このことは、社会的・経済的なウェルビーイングの向上につながります。
「より良い収穫を、さらに環境再生を」。収穫の質と量を確保するだけでなく、土壌をはじめ環境の再生力を高めることが必要であると、私たちは考えています。バイエルにとって「リジェネラティブ農業」とは、土壌の健全性を改善することを中心に据え、その回復力の強化を目指した成果ベースの生産モデルです。その他の主な目的には、気候変動リスクの緩和、生物多様性の維持または回復、水資源の保全、収穫量の増加、そして農業生産者とそのコミュニティの経済的・社会的ウェルビーイングの向上を含んでいます。
バイエルではサステナビリティを事業活動の中核に位置付けています。クロップサイエンスにおいては、全世界で2030年までに「作物1kgあたりに排出される温室効果ガスの30%削減」、「農薬による環境への影響を30%削減」、「稲作1kgあたりに使用する水資源を25%削減」「持続可能な農業ソリューションにアクセスできるよう1億人以上の小規模農家を支援」の4つをその大きな柱として掲げており、これらは客観的に測定可能な方法で評価されています。
日本においては、この4つのうち「農薬による環境への影響を30%削減」に注力するとともに「作物1kgあたりに排出される温室効果ガスの30%削減」にも取り組んでいます。
環境負荷の低減
バイエル クロップサイエンスは会社としての形態を変えながらも1941年から日本において農業事業を展開しています。長年に渡り日本において農薬事業に携わることで、日本の雑草や病害虫、そして作物に関する知見を培ってきました。
この日本の農業現場に対する深い理解のもと、その時代に必要とされるソリューションを展開してきましたが、現在のバイエル クロップサイエンスが設立された2002年以降、より環境へのリスクの低い製剤に置き換えることで、使用量をリスク換算で75%削減してきました(2021年現在)*。バイエル クロップサイエンスの全世界における「農薬による環境への影響を30%削減」の取り組みの中、日本における挑戦は今日も続いています。
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- リスク換算使用量=ADIに基づく換算係数**×出荷量
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- 「みどりの食料システム戦略」における化学農薬使用量(リスク換算)について
https://www.maff.go.jp/j/council/sizai/nouyaku/attach/pdf/27-9.pdf
温室効果ガスの削減
バイエル クロップサイエンスでは、環境やヒトにより調和した農薬やその使用法の開発だけでなく、生産や流通の過程においても環境への負荷を減らす挑戦を続けています。これは、全世界における「作物1kgあたりに排出される温室効果ガスの30%削減」の方針とも連動しています。
従来の農薬は1製品の分量が多く、かさばるものが多くあります。これにより輸送や保管のコストが増えるだけでなく、重たいものを大量に運ぶ必要があることから、輸送時の温室効果ガス排出量も多くなります。バイエル クロップサイエンスでは、水稲種子処理剤や高濃度製剤の展開を増やすことで、有効性を保持しながら1製品をコンパクトにすることで、輸送時の温室効果ガス削減に貢献しています。
日々の小さな積み重ねが、現在だけでなく将来の環境保全につながると私たちは考えています。持続可能な農業が何世代にもわたって続き、人と地球が共栄していくことが私たちの願いです。