2016年09月

明日の農業におけるソリューションを模索する、意欲ある若きリーダーを募集
第3回世界若者農業サミット、2017年にベルギーの首都、ブリュッセルで開催

  • ベルギーの2団体、フランドル地方の若者による農業組合「緑のリサイクル(Groene Kring)」および、フランス語圏の若き農業者の組合である「若者農業組合(Fédération des Jeunes Agriculteurs)」と共催
  • 応募は課題の英語小論文を2017年1月13日(日本時間1月14日午前8時59分)までに、オンラインで提出(www.youthagsummit.com

東京、2016年9月21日 ― バイエル社 クロップサイエンス部門(拠点:ドイツ、モンハイム)は、2017年10月9日から13日まで、第3回世界若者農業サミットをベルギーの首都、ブリュッセルで開催します。サミットに招待される100人は、日本を含む世界45カ国の18~25歳の若者を対象に募集し、英語小論文により選ばれます。日本代表は、書類選考の後、バイエル クロップサイエンス株式会社において、英語でのプレゼンテーションおよび面接による最終審査によって2名を選出する予定です。

本サミットは、農業の未来を担うリーダーの育成を目的として、バイエル社クロップサイエンス部門が取り組む農業教育プログラムのひとつです。3回目の開催となる今回のサミットは、開催国ベルギーの2団体、フランドル地方の若者による農業組合である「緑のリサイクル(Groene Kring)」と、フランス語圏の若き農業者の組合である「若者農業組合(Fédération des Jeunes Agriculteurs)」と共同開催します。

若者の農業離れは、今や先進国共通の社会問題となっており、世界人口は、2050年には100億人に迫るところまで急増するとも予測されるなか、農業に従事する次世代の若者が、より明確なビジョン、長期的な視野、柔軟な創造力を備え、世界規模で農業課題に共に取り組み、より有益なソリューションを導き出していくことが、急務となってきています。来たる第3回世界若者農業サミットでは、世界中から選ばれた100人の若きリーダー達が、知恵を出し合いソリューションを創出するために、世界で最も困難な課題の1つ「いかにして、地球レベルで食糧を安定的に供給していくのか?」についてオープンディスカッションを行います。

小論文の課題は「国連の持続可能な開発目標(UN Sustainable Development Goals:SDGs)」に基づくもので、食糧不安の根本的な原因と人口増加における影響について、をテーマとするものです。評価基準は、農業の未来を形成するための独創的なアイデアと情熱です。募集はオンラインで行い、2017年1月13日まで受け付けています。応募方法やサミットの詳細については、後述の要項をご確認ください。

世界若者農業サミットは、2013年に第1回をバイエル社カナダ法人の主催によりカナダで開催。世界各国から農業に関心を持つ100人以上の若者が集まり、現在および未来の食糧不安を克服する方法について率直に話し合い、アイデアを交換しました。第2回世界若者農業サミットは、ドイツ バイエル社の主催となり、規模を拡大して、2015年8月にオーストラリア キャンベラ市で開催。参加した33カ国の若きリーダーたち100人が、“Feeding a Hungry Planet”(地球レベルでの食糧安定供給について)をテーマに議論を深め、行動提言を創出しました。そして、同年10月にローマで開催された、国際連合食糧農業機関(FAO)の第42回世界食料安全保障委員会(CFS)において同サミットの代表者2名が、行動提言を昇華させた「キャンベラ宣言」を発表しました。2015年、CFSで宣言を発表する代表に選出されたサンバ・オウマさん(ケニア)は「33カ国から異なる価値観を持って集まった100人の代表者全員が、独創的で多様な見解や討議すべきアイデアを出し合い、世界的な問題に取り組むために団結しました。全員が熱心に課題に取り組み、地球レベルでの食糧安定供給について、全体的な共通ビジョンを作り上げることができたのは、素晴らしいことでした」と振り返りました。2017年、この活動はブリュッセルに引き継がれます。

農業についての若者の知識調査

本サミットの長期的目標は、参加者が、単に頭で考えるだけでなく、実際に行動を起こしていく動機付けを行うというものです。現在、世界的に若者の農業離れが加速し、一般的に自分たちの日々の食糧がどこから来ているのか、といったことにほとんど関心が持たれなくなってきている中、農業に関する若者の知識を高めていくために、アクションを起こす必要性が明確になってきています。バイエル社 クロップサイエンス部門では、2015年夏、11カ国で若者の農業知識に関する大規模な調査を行いました。世界的な調査機関であるGMIライトハウス・リサーチが18歳から25歳の3,300人の男女の回答者を対象に行ったオンラインの大規模なインタビューから膨大なデータを作成し、ハインリッヒ・ハイネ大学(ドイツ、デュッセルドルフ)の准教授ヨアヒム・クレーベス博士とそのチームが分析・考察を行いました。調査結果によると、圧倒的多数の若者が、作物がいつ実り、収穫されるのかということを全く知らないことがわかりました。ワックスが動物性食品であることを認識していたのは4分の1以下でした。英国では、ワイン用のブドウが実るのが秋であると正確に答えることができたのはわずか4分の1であり、米国の若者はみな、スパイスが乾燥させた植物であることを認識していませんでした。さらに、本調査により、高等教育を受けたことと、農業に関する知識のレベルは相関関係にないことも判明しました。

バイエル社クロップサイエンス部門 広報・渉外責任者であるベルント・ナーフは「これは、世界人口の大部分が都市に住んでいることが反映された結果であり、一人一人が農業を体験することのみが、こうした状況を改善するたった一つの方法であることを示しています。バイエル社は第3回世界若者農業サミット、農業奨学金、学生の科学者体験といった農業教育関連の取り組みを通じて、次世代の人々がより明確なビジョンを持てるよう、サポートしていくことに注力します。バイエルは、若者が持続可能な農業や食糧供給についてさらに学び、科学とイノベーションの重要性に着目していってほしいと考えています」と述べています。

緑のリサイクル(Groene Kring)について

緑のリサイクルはベルギー・フランドル地方の若き農業者のための組合です。様々な活動を通して若き農業者を集め、互いの情報交換の場を提供しています。また起業家教育を行い、農業の家族経営を推奨しています。同組合は、地方、国内、国際レベルで若き農業者の関心を守っています。さらに農業セクターのイメージの改善も目指しています。詳細については www.groenekring.be をご覧ください。

若者農業組合(Fédération des Jeunes Agriculteurs) について

若者農業組合は、ベルギー・ワロン地方のすべての若き農業者を代表する若者の農業組織として、活動しています。2,800人の意見を代表し、国内およびヨーロッパレベルで彼らの代わりに提唱を行っています。また同組織は研修コースも提供しており、農業セクターのすべての従事者や専門家のプロフェッショナル育成センターとしても知られています。詳細については www.fja.be をご覧ください。

【第3回世界若者農業サミットの募集要項】

◇開催日程: 2017年10月9日から13日(5日間)
◇場所: ベルギー ブリュッセル市
◇費用: 旅費および滞在費はバイエルが負担
◇応募資格:
  1. 農業、食糧安全保障、環境スチュワードシップ、世界飢餓、バイオテクノロジー、農業経営、畜産に関心を持つ18歳から25歳までの若者
  2. 2013年、2015年の世界若者農業サミットに参加していないこと
  3. 以下の国に居住していること
    アイルランド、イギリス、イタリア、ウクライナ、エストニア、オランダ、スウェーデン、スペイン、デンマーク、トルコ、ドイツ、ハンガリー、フランス、ベルギー、ポーランド、ラトビア、リトアニア、ロシア
    エチオピア、ガーナ、ケニア、ザンビア、ジンバブエ、ナイジェリア
    アメリカ、カナダ
    アルゼンチン、ウルグアイ、チリ、パラグアイ、ブラジル、ボリビア、メキシコ
    インド、インドネシア、シンガポール、スリランカ、タイ、中華人民共和国、日本、フィリピン、ベトナム、マレーシア、オーストラリア、ニュージーランド
◇英語小論文テーマ:
  1. “Feeding a Hungry Planet”(地球レベルでの食糧安定供給について)というテーマで、自身の国(または都市、町、村落、地域社会など)に触れながら、「国連の持続可能な開発目標(UN Sustainable Development Goals:SDGs)」のどの目標が今後1~5年のうちに若者が最も影響を与えられるかについて、地域および世界規模という両視点から言及してください
  2. その目標に取り組みながら、100億人への食糧供給をサポートし、持続可能な国内および国際社会を築くためには、農業システムやフードチェーン、もしくは個人や地域社会の行動にどのような変化をもたらすべきか説明してください
◇書式:

英文で1500語(word)以内。以下の構成要素を加えること

  1. 冒頭に150語(word)程度で、選んだ地域および英語小論文の要旨を記載
  2. 食糧の安全保障に関するSDGsに与えられる影響
  3. その問題が、より広く、グローバル社会に与える影響
  4. 問題解決のためのソリューション
  5. 世界若者農業サミットでどのようなことを話し合いたいか
◇応募方法: ポータルサイト(www.youthagsummit.com)の応募フォームから、必要事項を記入の上、プロフィール写真データと共に英語小論文をアップロードして提出してください
◇応募期限: 2017年1月13日 23時59分(標準時間GMT)※日本時間1月14日(8時59分)
◇選考方法: 書類選考後、バイエル クロップサイエンス株式会社にて英語によるプレゼンテーション・面接による最終選考会を経て日本代表2名を決定(遠隔地・海外の場合はスカイプによる参加も可)
◇結果発表: 選考通過者への通知は、2017年3月31日に行われます

日本におけるバイエルの農業教育プログラムについて

バイエル社クロップサイエンス部門では、農業の未来形成に貢献することを掲げ、次世代の農業を担う若者の育成に世界規模で力を入れてきました。日本における農業関連事業を担うバイエル クロップサイエンス株式会社は、日本農業の未来形成に貢献するため、次の3つのプログラムに取り組んでいます。

  1. 世界若者農業サミットへの参加
    2017年にブリュッセルで開催される第3回世界若者農業サミットには、日本から2名の代表が参加する予定です。
    www.youthagsummit.com
  2. 「キャリア甲子園2016」への協賛
    株式会社マイナビと株式会社ジェイティービーが主催する、高校生を対象としたビジネスコンテスト、「キャリア甲子園2016」にテーマ協賛企業5社のひとつとして参加しています。本コンテストの出場者は、「2023年のビジネス」をテーマに、ビジネスプランを構築し、各テーマ協賛企業にプレゼンテーションを行います。決勝大会は2017年3月19日に六本木ニコファーレで開催。バイエルは、「2023年、世界の食糧安定供給に日本農業が貢献するための施策を考える~How to feed a Hungry Planet from Japan」というテーマを出題し、高校生に農業および食糧問題を考えるきっかけを提供します。 
    http://careerkoshien.mycampus.jp/
  3. 公益社団法人 国際農業者交流協会(JAEC)の研修プログラム支援
    国際農業者交流協会は、1950年代より、農業研修生海外派遣事業および、開発途上国などからの農業研修生の受け入れ事業(政府ODA事業)に携わる公益社団法人です。バイエルでは、本年より海外研修プログラムへの協賛を開始し、ヨーロッパ研修生への奨学金制度を設立すると共に、ヨーロッパ研修中にバイエルの施設、圃場見学ツアーを実施しています。
    http://www.jaec.org/