■エリア : 岡山県 ■品種 : きぬむすめ 【 水稲 約4ha/うち直播水稲 約3ha 】
四方を山に囲まれた寒暖差も大きい中山間地帯で、水稲 約4ha、小麦 約4ha、しきみ 約10a、その他作業受託など合わせて約26haを管理している農事組合法人寄江原。積極的にスマート農業に取り組んでおり、YouTube等でもその取り組みを紹介している。日々新しいことに挑戦しながら農業に取り組む組合長 矢萩さんの思いとは…
省力化の実現により、
若い人たちも水稲農業に参入しやすくなりますね。
私はもともとアパレルメーカーでサラリーマンをしていて、定年後に農家を継いでから、本格的に農業に取り組んできました。稲作についてはほとんど知識がなくこだわりもなかったので、逆に新しいことに挑戦しやすかったという背景もあり、積極的にスマート農業の実証実験などを引き受けています。スマート農業を実践してみて、なかなか大きな利益を出せない中でいかに作業コストを下げ、省力化を実現することが重要か、ということがわかってきました。
直播水稲は、作業コストが安く、機械や技術も日々進歩してきていることもあって取り組み始めました。XAG社の農業用散布ドローンを使用するのは2年目です。ドローンの導入も、若い世代や経験の浅い人たちが農業に参入するきっかけになると思っていて、彼らにとって良い経験の場になれば、と考えています。将来的にはすべて直播水稲に切り替えたいと思っています。
私は、日本の農業が抱える高齢化や耕作放棄地などの様々な課題を解決するためにも、若い人たちが参入しやすい地盤を整えること、水稲農業に取り組みやすい方法を確立することが重要と考えています。そんな思いで、日々新しい挑戦を続けています。
除草剤の効果など、データを蓄積することで、
翌年以降の作業に役立ちます。
除草剤の効果をより高めるためには、水田の均平度を保つことが重要です。ドローンで圃場の高低差を計測し、均平度を保つための試験を、岡山大学と共同で行っています。除草剤は基本的には一発処理剤を使用していますが、やはり均平度を保てないと高い効果は得られません。均平度の精度を上げていくことが、直播水稲の成功への近道ではないかな、と思います。測定した結果は、翌年の作業に役立てていくつもりです。