サツマイモ基腐病は
多発すると防除が難しい
難防除病害です。
下記の3つのポイントを
徹底することが重要です。
-
菌を
持ち込まない
種いもの消毒、健全苗・
消毒済み苗の確保、機材の洗浄 -
菌を
増やさない
排水対策、発病株の除去、
適期での薬剤処理 -
菌を
残さない
収穫後の作物残渣の処分
サツマイモ基腐病に
優れた防除効果を有する
フリント®フロアブル25の登録内容、
上手な使い方などをご紹介します。
フリント®フロアブル25の
作用機構と登録内容
フリント®フロアブル25の有効成分トリフロキシストロビンは基腐病菌のミトコンドリア電子伝達系に作用し、エネルギー生産を強く阻害します。エネルギー生産を阻害された基腐病菌は細胞分裂や成長が止まり最終的には死に至ります。
そのため、土壌中の基腐病菌の密度が低下し、基腐病予防に効果を発揮します。
登録内容
適用病害および使用方法 (かんしょのみ抜粋)
2023年9月現在の登録内容
作物名 | 適用病害名 | 希釈倍数 | 使用液量 | 使用時期 | 使用回数* | 使用方法 |
かんしょ | 基腐病 | 250倍 | 100ℓ/10a | 植付前 | 1回 | 全面散布 土壌混和 |
125倍 | 50ℓ/10a | |||||
10倍 | 4ℓ/10a |
- 農林水産省登録:第20623号
- 有効成分:トリフロキシストロビン…25.0%殺菌剤分類11
- 毒性:普通物(毒劇物に該当しないものを指していう通称)
- *印は収穫物への残留回避のため、本剤およびその有効成分を含む農薬の総使用回数の制限を示します。
※その他の適用作物にりんご、もも、小粒核果類(すももを除く)、すもも、ネクタリン、なし、おうとう、かき、ぶどう、きゅうり、てんさい、茶があります。
上手な使い方
フリント®フロアブル25を用いてかんしょの基腐病を効果的に防除するために、以下の作業の流れを参考に上手にご使用下さい。
圃場の整地
砕土を細かく丁寧に耕起
フリント®
フロアブル25を散布
10a当りフリント®フロアブル25の
原液400mℓを所定水量で
希釈して圃場全面に散布
混和作業
散布後速やかに丁寧に混和(地表から20cm程度)
畝立て〜植付
苗消毒を必ず行って植付。
植付後は、地上散布との体系防除を行う
散布方法
ドローン(無人航空機)または
手散布、ブームスプレーヤや
乗用管理機で散布します
ドローン(無人航空機)
フリント®フロアブル25は
ドローン(無人航空機)
での散布に最適です。
ポイントは希釈液を圃場内に
ムラなく均一に散布することです。
大きな圃場や圃場数が多い場合は、
ドローンを使用することで
早く・効率的に散布できます。
希釈倍数と使用液量
10aの圃場に
10倍 / 4L
の希釈液を散布します
手散布/
ブームスプレーヤ、
乗用管理機での散布
希釈倍数と使用液量
10aの圃場に
125倍 / 50L
または
250倍 / 100L
の希釈液を散布します
フリント®フロアブル25の
優れた防除効果
フリント®フロアブル25は(一社)日本植物防疫協会を通じた委託試験において、基腐病多発圃場で安定して優れた防除効果を発揮しました。
2021年 鹿児島県農業開発
総合センター大隅支場
発生状況:多発生
品種:コガネセンガン
植付:5月26日
区制:1区18㎡ 52株 3連制
処理:5月26日(植付当日)
調査:植付36日後、47日後、55日後、61日後、70日後
その他:前年にかんしょを栽培し、基腐病が多発した圃場で試験を実施した。次感染を防ぐ目的で調査時に発病株を除去。
2022年 鹿児島県農業開発
総合センター大隅支場
発生状況:少発生
品種:コガネセンガン
植付:5月10日
区制:1区21.6㎡ 64株 3連制
処理:5月10日(植付当日)
調査:植付37日後、43日後、52日後、59日後、65日後、72日後、78日後、86日後、94日後、104日後
その他:前年にかんしょを栽培し、基腐病が多発した圃場で試験を実施した。二次感染を防ぐ目的で調査時に発病株を除去。
基腐病の総合的体系防除例
多発すると防除が難しいサツマイモ基腐病を防除するには、基腐病菌を持ち込まない、増やさない、残さないことが望まれます。
そのために健全苗を使用するとともに、苗消毒、汚染圃場(土壌)の殺菌、茎葉散布剤の使用を組み合わせる総合的体系防除が重要となります。
フリント®フロアブル25の使用は、植付前に圃場で菌を増やさないための対策に有効です。また、植付後も必要に応じて茎葉散布を行うなど、引き続き菌を増やさない、残さないように努めて下さい。
畝立て前の圃場準備
フリント®フロアブル25を
処理後速やかに混和
土壌中の菌密度を低下させる
苗の準備
苗の消毒実施(必須防除)*
苗を薬液に浸漬する*:使用薬剤の登録を確認して行って下さい
栽培中の圃場巡回と薬剤散布
圃場毎の菌密度や残渣の量により
発病程度が違います
基腐病の発病株を確認後は、
速やかに抜き取り処分
薬剤散布による防除の実施。
特に感染を助長する
豪雨や台風などの前には予防散布
Ⓡフリントはバイエルグループの登録商標