新規成分トリアファモン (ALS阻害) とテフリルトリオン(自化作用)の2種混合の初・中期―発処理除草剤で、幅広い草種に対して高い除草効果を示します。
殺草スペクトラム
本剤はスルホニルウレア抵抗性雑草含め、ほとんどの水田雑草に対して優れた効果があります。
トリアファモンの特性
■ 作用機作
トリアファモンは雑草の根部、茎葉基部から吸収されます。
吸収されたトリアファモンは雑草体内で代謝され、分岐鎖アミノ酸(バリン、ロイシン、イソロイシン)生合成経路上のアセト乳酸合成酵素(ALS)を阻害する活性本体へと変化します。
この活性本体がALSを阻害することで、雑草は正常なタンパク質の生合成ができなくなり、枯死します。
一方で、稲植物体内においては、活性本体がほとんど生成しないために、稲に対して高い安全性を示します。
テフリルトリオンの特性
■ 作用機作
テフリルトリオンは雑草の根部、幼芽部、茎葉基部より吸収されます。雑草体内では光合成電子伝達系経路のプラストキノンの生合成に関与する4-HPPDに作用して、雑草の生育を抑制し、白化症状を発現して枯死させます。
4-HPPD阻害の作用経路
植物体内に吸収されたテフリルトリオンは4-HPPD(p-ヒドロキシフェニルピルビン酸デオキシゲナーゼ)を阻害し、電子受容体のプラストキノンとビタミンE(α-トコフェロール)の生合成が阻害されます。プラストキノンの生合成が阻害されることにより光合成電子伝達系が低下し生長抑制を起こします。
また、二次的にカロテノイドの生合成が阻害され、処理後に生長する組織ではカロテノイド減少に伴ってクロロフィルは光酸化し植物体は白化します。白化した組織では活性酸素消去に働くカロテノイドおよびビタミンEが減少したことによって、植物体内で発生した活性酸素を消去できなくなり壊死に至ります。
有効成分の物理化学性と安全性
スルホニルウレア抵抗性雑草に対する効果
本剤は問題となっているスルホニルウレア抵抗性雑草に対しても高い効果を示します。